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障害児の入園拒否問題について

rinrin
こんにちは、元女医ライターのrinrin(@Drrinrin1)です。

 

以前の記事で、障害を持つ子供の預け先が無くて仕事を辞めたことを書いたところ、フォロワーさんから下のようなリプをいただきました。

 

 

リプをくださった方のおっしゃる通り、発達障害の子供を受け入れている幼稚園や保育園も最近では増えており、

読者
子供の障害を理由に仕事を諦めるなんてことがあるのだろうか??

と、疑問に感じる方もいらっしゃるかと思います。

 

しかし、実際に障害のある子供を育てながら園探しをした親としては、障害のある子供を抱えた親が就労するには、まだまだ厳しい社会だと思う部分が多くありました。

今回は、私と我が子の園探しエピソードから、『障害児の入園拒否問題』について綴ります。

rinrin
実態を知らない方が、少しでも何かを感じていただくきっかけになれば幸いです。

 

障害児の園探し①:近隣の保育園に見学に行き断られる

私が第一子の園探しを始めたのは、第一子が1歳になる少し前のことでした。

その頃、第一子は鼻に管が通っていて、そこから薬や栄養を入れている状態でした。

離乳食などを口から食べることは徐々にできつつあり、鼻の管ももう少ししたら抜けるかも…という時期でした。

 

保育園の募集要項を読み、『障害児保育あり』と書かれている保育園に見学に行ったのですが、園に着いた瞬間、先生に怒られました。

 

保育士
お母さん、こんな状態の子供を預けようとするなんて、いったい何を考えているんですか!?

と。

 

恥ずかしい話ですが、その頃の私にとって、我が子の鼻に管が付いているのは日常的な光景になりすぎていて、それが異様な光景だという意識が欠けていたのです。

また、食事の練習もうまくいきつつあるし、『障害児保育あり』の園だし、きっと大丈夫だろうという短絡的な思考でした。

 

しかし、私の短絡的な思考は、見学に行った一つ目の園で、見事に打ち砕かれました。

保育士
こんなケアが必要な子供は、どこの園でも預かれません

と言われてしまったのです。

 

『そもそも、こんな子を預けたいと思う神経が理解できない』というニュアンスのことも言われました。

鼻に管が入った子供を保育園に預けると言うことは、それほどまでに非常識なことなのだと、恥ずかしながら私はそのとき、初めて知ったのです。

 

あと二つ、近隣の園に空きがあり、電話で問い合わせましたが、やはり『鼻にチューブが入っている子は預かれない』と言われました。

ここで、この時点で保育園を探すことは断念し、もうしばらくは我が子の通院やリハビリに専念した方がいいだろうということになりました。

 

障害児の園探し②:鼻のチューブは外れたがやはり断られた

その後、1歳を少し過ぎた頃に、食事の練習がうまくいくようになり、

鼻の管は外れ、生後すぐからずっと続いていた貧血の薬とカルシウム剤の内服も終わりました。

我が子はむしろ、すごくよく食べる子になり、少し運動発達が遅いことと多動傾向が強い以外ことが気になってはいましたが、見た目はごく普通の子供と変わらなく見えました。

 

以前の記事にも書いたとおり、気になる症状はありましたが、入園を拒否されるような問題とは捉えていませんでした。

 

 

そこで、この時点で、再度園探しを始めました。

 

しかし、話はそう簡単にはいかなかったのです。

 

近隣の園のほとんどに空きがなかった

この時点で我が子は1歳過ぎ。

0歳代の頃には空きがあった保育園にも、その頃には空きはほとんどありませんでした。

 

役所で問い合わせて『空きがある』となっている園でも、実際に見学に行くと、

保育士
先月で埋まってしまいました

と言われたり。

 

また、私は申込書に『早産で発達の遅れあり、現在もリハビリに通院中』と書いていたので、その点も突っ込まれました。

 

保育士
通院が必要な子供がいるなら、仕事復帰を急ぐより、お子さんに専念すべきでは?

と言われました。

 

待機児童に登録しようとするも拒絶される

空きがなかったけれど、申し込みだけはしたい旨を保育園に話しましたが、それも断られてしまいました。

 

保育士
この子を登録しても、加配(障害のある子供をサポートするために配置する保育士のこと)の人員が足りないため、いくら待ってもこの子を入園させることはできません。

言葉づかいはやんわりとしていましたが、断固とした『拒絶』の意思を感じました。

 

また、こうも言われました。

保育士
この子が登録することで、この子のあとで登録する、何の問題も無い健常の子供さえ、入園することができなくなります。順番を飛ばすことはできないので…。この子の申し込みはしないでいただけると助かります。

 

文章で書くと、とても淡々としたやり取りに思えるかもしれません。

しかし、この言葉を言われたときの私のショックは、すさまじいものがありました。

わずか1歳の我が子が、こんなにも社会から拒絶される存在であると知った衝撃は、堪らなかったです。

 

この文章を書きながら、今でも涙がこみ上げてきます。

 

障害児の園探し③:私立幼稚園に入園許可されるが直前で拒否される

その後、保育園を諦め、近隣の幼稚園をあたることにしました。

その頃には、『自身の就労のため』というよりも、『我が子に集団生活を経験させるため』と、目的が切り替わっていました。

幸いにも、近くに障害児の受け入れもしているキリスト系の幼稚園があり、2歳児クラスから受け入れが可能とのことだったので、そこに見学に行きました。

 

見学の感触はとてもよいもので、園長先生からも、

園長
うちは障害のある子供も積極的に受け入れておりますので、ぜひどうぞ

と言っていただけました。

 

これでほっと一息ついていたのですが、数ヵ月後、どんでん返しがありました。

 

入園説明会で、入園費も払い、お道具箱や園バッグ、制服なども全て購入した翌日、園長室に呼び出されました。

 

園長
申し訳ありませんが、お子さんをお受けすることはできません

 

入園説明会での我が子の様子を観察し、この園で受け入れることは無理だと判断されたとのことでした。

当時の我が子は、独特の自閉症っぽい行動はありましたが、自傷他害やパニックなどはなく、比較的おとなしいタイプだったので、どういうところが『受け入れが無理』と判断されたのかは、いまだに分かりません。

 

しかし、私立幼稚園の場合、園長が『無理』と言ったら『無理』なのです。

 

あきらめる他ありませんでした。

支払った入園費は、返却されることはありませんでした。

 

お話の中で、

園長
お子さんの障害をきちんと認めて、ふさわしい場を探してあげてくださいね。親御さんがきちんと受け止めてあげないとかわいそうです。

と言われた言葉が、棘のように私の心に突き刺さりました。

 

我が子は、普通の社会にはふさわしくないんだ。

私は、我が子の障害を認められない、偏見に満ちた親だと思われたんだ。

 

被害妄想や自己憐憫と言われるかもしれませんが、当時は本当に、社会の全てから拒絶されたような気がしました。

 

障害児の園探し④:その他の幼稚園からも拒否・説教をされる

その後、いくつかの幼稚園をあたりましたが、結果は同じでした。

時は遡りますが、我が子は2歳になる少し前から、療育(障害児を対象とした治療教育)を開始しています。

どの園も、『療育に通っている』と言った段階で、難色を示しました。

 

『障害児教育に対応』と募集要項に載っている園には、加配といって、その子供たちに対応する人員が配置されています。

しかし、そのほとんどは、入園後に障害が分かった子たち(入園するまで障害に気づかれなかった子たち)で数が埋まってしまい、入園前から『障害がある』と分かっている子供は、拒否されてしまうことが多くあります。

拒否されるだけならいいのですが、問い合わせた園から、電話口でいちいち説教めいたことを言われるのが、地味に辛いことでした。

 

 

『お母さんがきちんと受け入れないといけませんよ』

 

『お母さんが頑張らないといけませんよ』

 

『障害のある子供たちの教育は、お母さんが中心にならないといけませんよ』

 

 

当たり前のことを言われただけなのかもしれませんが、その全てが、私の子育ての否定に聞こえ、当時はとても辛かったのを覚えています。

4つ目か5つ目の幼稚園に拒否されたあたりで、私はそれ以上の園探しを諦めました。

 

まとめ

障害児の入園拒否問題について述べました。

我が子はその後、療育園(障害のある子供だけが通う幼稚園みたいなところ)に、1年以上待って入園しましたが、そこで出会ったお母さんたちに聞くと、大なり小なり、園探しでは辛い思いをしている方が多かったです。

 

保育園に入園拒否された関係で、フルタイムでの仕事を諦め、時短勤務に切り替えた方、仕事自体を辞めてしまった方も、多くいました。

 

子供の療育関係は、公費で負担されるものもありますが、自費のものもあります。

保護者
療育にかかるお金を考えると、仕事は辞めたくなかった…

と泣いている方もいました。

 

自治体によっても、子供の障害の程度によっても違いますが、私の通っている地域での園探しはこんな感じでした。

 

わずか1歳や2歳の子供を、障害を理由に拒絶する社会、

そしてそれを、『母親の障害受容』の問題にすり替え、あたかもこちらが悪いかのように誘導してくる姿勢には、正直、とても疑問を感じています。