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『医療保険は必要?不要?』医療現場を見続けた元女医の本音はこっち

rinrin
こんにちは、元女医ライターのrinrin(@Drrinrin1)です。

 

『医療保険は本当に必要なのか』

 

この問題は、医療保険加入前に、家庭内で少なからず論じられるテーマではないでしょうか。

ネットで様々な情報が飛び交う現代では、『医療保険不要論』を唱える人も増えてきた印象です。

 

医療の現場を見続けた元女医として、また、自身も幾度かの入院経験がある1人の女性として、

私の意見としては、『医療保険加入は必要』だと思います。

今日は、そのことについて述べていきます。

 

rinrin
皆さんが保険について考えるきっかけとなれば幸いです。

医療保険ってなあに?

まずは、医療保険とは何かの説明をします。

医療保険とは
医療保険とは、医療機関で医療費を支払う際に、その一部を一定の割合(あるいは金額)で負担してくれる保険の総称です。

医療保険の中には、公的医療保険(強制加入)と民間の保険会社が提供する医療保険(任意加入)の2つがあります。

 

公的医療保険は、所得や年齢に応じて、あらかじめ国によって自己負担金額の割合が定められています。

乳幼児や学童に関しては、それぞれの自治体が定める基準(子ども医療費助成制度に基づく)が、また別途規定されています。

 

民間の医療保険は、上記では補えない費用負担をカバーするために、それぞれが自身のカバーして欲しい範囲を熟慮し、独自に加入する保険となります。

公的医療保険は強制加入のため、今回論じるのは、『任意加入である民間の医療保険は必要か不要か』という問題です。

 

rinrin
私は、公的医療保険だけでなく、民間の医療保険にも加入が必要であると思っています。

 

以下にその理由について述べます。

 

医療保険が必要な理由①:入院にかかるお金は医療費だけではない

まず、『民間の医療保険加入が不要である』という意見を持つ方が言うのが、

『高額療養費制度を利用すれば、医療費はそれほど高額にはならない』という意見です。

たしかに、日本には高額療養費制度というものがあり、それを申請すれば、所得に応じた自己負担額以上の医療費を支払う必要はありません。

 

 

高額療養費制度を利用すると、平均的な所得の家庭では、医療費に関しては、1ヵ月当たり最高でも85000円程度になります。

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しかし、入院にかかる費用は、医療費だけではありません。

 

 

上記の記事は、子どもの入院にかかる費用をまとめた記事ですが、

この記事に記載の通り、差額ベッド代や食費、雑費などは医療費には含まれません

この他にも、お見舞いの方の交通費、駐車場代などもかかります。

お子さんがいて、親御さんが入院する場合は、お子さんを預ける保育費用やベビーシッター代も、別途かかってきます。

 

差額ベッド代は希望者のみにしかかからないという意見

このうち、差額ベッド代は個室希望者のみにしかかからないので、大部屋にすればよいという意見もあります。

しかし、大部屋利用では、個性的な方と出会う確率もあります。

 

性格的にどうしても合わない人や、睡眠時のいびきや歯軋りがうるさい人、とても過干渉で、同室の人に対して根掘り葉掘り個人情報を聞いてくる人、

本当に色々な人がいるのです…。

 

入院生活が1週間も越える頃になると、個室への部屋替えを希望される方も多いです。

ただでさえストレスの溜まる闘病生活の中で、他人に余計な気をつかいながらの入院生活は、本当に過酷なものがあるのです。

個室希望はあくまで任意ではありますが、いざというときに、金銭面で選択肢が限られてしまう事態は避けたいものです。

 

医療保険が必要な理由②:先進医療の対象となる症例は意外と多い

また、民間の医療保険には、『先進医療特約』がオプションでつけられるものが多いです。

先進医療とは
高度の医療技術を用いた治療法や検査法で、公的医療保険の対象にはならないもののこと。

先進医療に関する医療費は、全額自己負担となります。

 

rinrin
いわゆる、最先端の治療のことです。

 

先進医療の対象となる症例はそれほど多くは無いという意見もありますが、

現場を見てきた立場からすると、『意外と多いな』というのが、正直な感想です。

 

具体的な例を挙げると、眼科の白内障手術における『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』がそれに当たります。

白内障では、白く濁った水晶体を人工のレンズと置き換えるという手術を行うのですが、

この挿入する人工のレンズが、遠方視と近方視の両方で焦点が合うようにするものが、『多焦点眼内レンズ』で、

希望される方は非常に多いのが現状です。

 

また、近年、消化器外科を始めとした外科の分野でめざましい進歩を遂げている『ロボット手術』も、先進医療の対象である疾患が多いです。

今後も、『最先端の治療だけど、公的医療保険の適用にはまだならない』という先進医療に該当する治療は、医学の発展とともに増え続けるのではないかと思われます。

 

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いざというとき、『本当に受けたい治療』が金銭的な問題で受けられない…という事態を避けるためにも、医療保険には加入しておくのが得策です。

 

医療保険が必要な理由③:それまでの収入が極端に減る可能性も

入院が長期に渡ったり、病気による治療のために欠勤が続いてしまうと、それまでの収入が極端に減ってしまう(あるいは、失職してしまう)可能性もあります。

傷病手当金(病気や怪我で欠勤が続いた場合、給料の一部あるいは全部を支給する制度)などの制度はありますが、それも最長期間が定められている上、あまりに闘病生活が長くなると、

満期に達する前に会社側から退職を依頼されるケースも多いです。

 

また、本人の入院ではなく、子どもの入院の付き添いなどの場合、傷病手当金もなく、家庭の事情での欠勤が続くということで、もっと早い段階で失職するケースがあります。

 

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入院によって、金銭的な負担は増える一方なのに、収入は減ってしまうのです。

 

また、自営業者の場合は、そもそも『傷病手当金』という制度自体が無いため、自分自身でリスクに備える必要があります。

 

医療保険が必要な理由④:『長期入院になるのは精神科くらい』と言うが…

現在はどの病院も入院は短縮傾向にあり、『長期入院となるのは精神科くらいだから、医療保険に入っていてもそれほどお金はもらえない』という人もいます。

しかし、純粋に疑問なのは、

なぜ『自分や家族は、精神科に入院する事態にはならない』と、無意識下に思っているのかということです。

 

現代はストレス社会であり、精神科疾患にかかる人は以前よりも増えています。

そして、『自分は精神疾患にはならない』と思っていても、人生、いつ何時、何が起こるか分からない以上、思いもよらぬところで精神疾患になってしまう可能性は、誰しもが等しく持っています。

 

私自身、『うつ状態』での入院経験がありますが、それまで精神科は、自分とは無縁の科だと信じきっていました。

『身内の突然の死』、『失職』、『子どもの障害』…これは私が経験したことですが、人生の苦難は、どんなときに襲ってくるか、誰にも分からないのです。

『長期入院になるのは精神科くらい』と言いますが、その精神疾患にかかる可能性が全く無い人はいないのです。

 

rinrin
また、精神科以外に長期入院が必要な疾患も、世間の人が思っているよりは多いです。

 

医療保険が必要な理由⑤:可能性は低いがゼロでは無いという現実

精神科疾患以外に入院が長引く疾患というと、私は血液疾患が思い浮かびます。

白血病を始め、1クール21日の化学療法で、何クールにもわたって入退院を繰り返す血液疾患は、とても多いです。

血液疾患にかかる人は、人口全体からみると、たしかに割合は少ないです。

 

しかし、可能性はゼロではありません

たとえ1万分の1の病気でも、自分や家族がかかってしまえば、その数字の低さには何の意味も無いのです。

 

苦しい抗がん剤治療に耐えながら、金銭面での心配もずっとし続けなければならないという人も、たくさん見てきました。

 

患者さん
自分が死ねば家族は保険金が入って楽になると思うと、早く死にたいです。

 

という話を聞き、涙したこともありました。

命に関わる病気のときに、金銭面での心配をし続けなければならないというのは、本当に辛いものです。

 

rinrin
万が一のときに金銭面での負担を補うためにも、医療保険には加入しておくことをおすすめします。

 

まとめ

医療保険が必要だと、私が思う理由について述べました。

本当は、貯蓄が山のようにある人や、独身で家族もいなくて、医療費よりも保険料の負担の方が重いと感じる人など、必ずしも全員に医療保険が必要というわけではないのですが、

大半の方には必要であると感じています。

 

rinrin
医療保険が必要か不要か、悩んでいる方の参考になれば幸いです。